施工現場から
外構工事のこと~瀬戸橋住宅外構その1~
2025-03-11
注目
【外構工事とは】

<フェンス設置状況>
外構とは建物の周りに設置される構造物であり、外構工事はそのような外構の施工を行う工事のことです。建物の周りの構造物とは、ビルや工場、住宅など建築物の周囲に存在する物を意味しています。
例えば、住宅を囲むようなブロック塀やフェンスを施工したり、駐車場などの工事はすべて外構工事として扱われます。また、道路から建物の入り口までの舗装工事や敷地の高低差を整える土留工事、水道管の設置や電気関係の設備工事も同様に外構工事となります。そのほかに、庭木を植栽したり、景石を据えたりといった工事も外構工事の一つとなります。
今回は2025年2月に竣工となった瀬戸橋住宅の外構工事についていくつかご紹介します。(写真はすべて瀬戸橋住宅現場で撮影されたものを使用しています。)
【1.ツリーサークル工】

<ツリーサークル工施工状況>
「ツリーサークル工」とは、街路樹や公園の樹木の根元周りに設置する保護材で、樹木の生育環境の確保と歩行空間の快適性を両立させる施設工事のことです。
樹木の根元がこのようになっているのを、いろいろな場所で見かけることが多くなりましたが、樹木とそこで生活する人のことの両方をよく考えられているのですね。
【2.パーゴラ工】
「パーゴラ工」は、庭園や公共空間において、日蔭を作り、くつろぎの空間を提供する構造物を設置する工事のことです。
「パーゴラ」とは、日陰棚、つる棚、緑廊のことを言います。日本では藤棚が一般的で、建築用語の一つになります。
パーゴラを建てるメリットには次のようなものがあります。
・植物を這わせることができる:藤のように木に巻き付いて花が枝垂れるような植物を育てるにはパーゴラが欠かせません。
・適度な日陰ができる:パーゴラを作ることで、適度に日陰を演出することができます。あくまでも屋根をつけない前提なので、完全な日よけにはなりませんが、適度に日光と日陰の両方を楽しむことができます。
・外観を整える:立体的なデザインの演出ができます。
・積雪が多い地域には最適:積雪が多い地域に屋根付きのものを建ててしまうと、雪の重みに耐えきれず倒壊したり、雪が積もって雪下ろしが大変になります。しかし、屋根のないパーゴラであればその心配もないので積雪の多い地域でも楽しむことができます。
【3.ウェルポイント工】
「ウェルポイント工」とは、地下水位を低下させて掘削工事を可能にする仮設工法の1つになります。地下水位が高い場所での掘削工事や軟弱地盤の安定化に用いられます。
工法は、掘削部の片側または周囲にウェルポイントと称する小さな井戸を多数設置し、真空吸引することによって地下水を集め、揚排水するものです。比較的、透水性の少ない土層にも適用される工法です。
また、この工法は建物の建築時だけではなく、防火水槽、雨水貯留槽にも用いられ、また大型テーマパーク、病院などにはゲリラ豪雨に対応すべく水害に備えた貯水槽建設や大型雨水槽などの建設工事など数多くの設置に用いられ役に立っています。
この瀬戸橋住宅の外構工事では、防火水槽の設置工事にウェルポイント工法が使われました。
<主な特徴と手順>
・排水の仕組み:この工法では、縦に細長いフィルター付きのパイプ(これをウェルポイントという)を千佳に多数打込みます。これらのパイプは1つの集水管に連結されていて、その集水管からポンプを通して地下水を排出します。
・地下水位の低下:ポンプで地下水を吸い上げることで一時的に地下水位下げることができます。これにより掘削作業や基礎工事などが安全かつ効率的に進められます。
・範囲と深さ:比較的浅い範囲(一般的には約4~6m程度)での地下水位低下を目的としています。より深い範囲での水位低下が必要な場合は、深井戸ポンプを使用するなどの異なる工法を組み合わせることもあります。
・適用状況:地下水位が高い土地や雨季等の期間に基礎工事や掘削工事を行う際に特に有効な工法です。
【4.インターロッキングブロックの設置】
「インターロッキングブロック工」とは、複数のブロックを組み合わせることで敷設または舗装することをいいます。
インターロッキングの組み合わさる面は、僅かな隙間があるため透水性が高く、水たまりになりにくいのが特徴です。また、複数のブロックが組み合わさることで、各ブロックに与える強度や圧力が均等に分散されることで、床や舗装面が安定します。
インターロッキングは、耐久性もさることながら、形状やカラーが豊富でデザインの自由度が高く、美しい外観の庭や駐車場を実現することができます。
<特徴・利点>
・汎用性・耐久性:歩道、広場、公園、建築外構から大型車が走行する車道まで幅広い用途と高い耐久性を有し、長期に渡った使用ができます。
・景観性・意匠性:周辺環境に適した豊富な形状・カラーはもちろん、製品表面に加工を施すこともできる。
・リサイクル・リユース:インターロッキングブロック舗装の製造には、鉄鋼スラグ、再生骨材、エコセメントなど様々なリサイクル材の使用や煉瓦屑や瓦屑などエリア特性を生かした活用も可能。また、復旧工事などでは再度施設できるなどリユースも可能です。
・ライスサイクルコスト:日本及びアメリカの解析例では、アスファルト舗装に比べ初期建設費は高いものの修繕費が安いため建設後20年でほぼライフサイクルコストが同等になり、建設後40年ではライフサイクルコストが6~19%削減できる結果が得られています。
・エコロジカル:既往の研究では、この舗装はブロックを人力で施工するため機械で施工するアスファルト舗装に比べて教養年数1年あたりのCO2排出量が少ないという結果が得られています。
